福井施設長
初めまして。2024年4月1日から老健センターながおの施設長になりました福井律子(ふくいりつこ)です。
直前までは長尾病院で脳神経内科医として勤務しておりました。
私の専門分野は脳神経内科で、脳の病気を内科的に治療する科です。脳の病気を外科的に治療するのが脳神経外科で、例えば脳腫瘍を手術で摘出するとか、脳出血を外科的に治療するとかです。
心臓の病気を内科的に治療する循環器内科と、手術などで治療する心臓外科のような関係にあると言えます。
超高齢化社会になって、脳の病気は大変増加しており、中でも認知症の患者さんが大幅に増えていて、全国で800万人の認知症患者がいると言われています。中でもアルツハイマー型認知症が一番多いのですが、幻覚・幻視で発症するレビー小体型認知症もありますし、正常圧水頭症のように物忘れと歩行障害がみられ、CTやMRIで検査をして脳神経外科で手術をすると改善する物忘れもあります。早期発見が大切です。
脳の病気には手のふるえや歩行障害で発症するパーキンソン病、脊髄小脳変性症など神経変性疾患もたくさんあり、これらは脳腫瘍のように脳神経外科で外科的に治療できないので、内服薬などで長期的に治療する必要があります。
しかも進行性の病気ですからご家族の介護負担が増加していきます。
脳梗塞や脳出血後の手足の麻痺、言葉がしゃべれない構音障害や失語症、また血管性認知症は脳梗塞や脳出血の後遺症で起こってきますから、高血圧症や脂質異常症などの生活習慣病をきちんと治療することで、脳梗塞や脳出血を予防することが大切です。
脳の病気はたくさんあり、リハビリテーションと介護が必要になります。病院での治療、リハビリテーションが終わっても、すぐに自宅退院が難しい方々を介護老人保健施設でお世話をさせていただき、リハビリを続けていただいています。
入所者の方々や、ご家族のお力になれるよう、スタッフ一同力を合わせて頑張っていきますので、よろしくお願いいたします。